兄さぁぁぁぁん!!

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まって、今この女の子、兄さんを『お兄ちゃん』って呼んだ? っと、危ない危ない。とりあえず治療が先。 「えーと、そっちの白髪の娘は、吸血鬼?だったら、兄さんの頭に手を当てて血属性魔力を解放して。そっちの娘は妖狐ね。貴女は兄さんのお腹に額を付けて怨属性魔力を解放して。兄さんを殺したいならゆっくりでいいよ。でも助けたいなら早急に!!」 「う、うん!」 「わかったのじゃ!!」 吸血鬼の女の子からは深紅の魔力が、 妖狐の女の子からは濃淡の激しい紫色の魔力が、 それぞれ立ち上る。 私はじっとそれを観察し、 「二人とも止めて。“我は天使の翼の拾い手なり。この者の内にある悪意と凶哀の呪よ。総て清め祓われたまえ”《リザレクテッド・エンゼルフォール》。」 神滅級魔法の一つ。本来は町一つを完全に浄化するために下級神一柱に相当する魔力を使い潰して発動する魔法。 回復系魔法で唯一、神滅級に位置するのはその莫大な魔力消費のせいらしい。 私はチートで魔力∞だから平気だけどこの世界の一般人では発動する事は不可能だろう。 さて。兄さんの回復も終わったし。 ちょっと聞いてみますか。 「ねぇ、貴女達は兄さんの…何?」 ーside,御夜ー 了
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