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先輩の噂
それは『告白の振り方が酷い』というもの
告白した子は毎回、泣いて帰ってくる
それくらい酷いのだ
そんなことを知らない私達は、先輩を呼び出した
『放課後、図書室で待っています *ユイナ*』
結菜らしい可愛い手紙で
放課後、私は邪魔にならないよう窓からその様子を伺った
結菜がチョコを先輩に渡す
すると先輩は何かを言い、そのチョコを床に投げ捨て図書室を出ていった
結菜はしばらく動かなかった
私は慌てて窓から図書室に入り、結菜に駆け寄った
結菜は私を見た途端、泣き出し図書室を飛び出してしまった
追いかけたが、間に合わなかった
そのまま結菜は学校を飛び出し、車に轢かれ病院に運ばれた
今は、寝ている
生きてはいるけど目を覚まさない
ずっと寝ている
いくら呼んでも目を覚ましてくれない
いつの間にか、私は先輩に話しながら泣いていた
「ゆ、結菜はお前みたいなクズにっ! い、一生懸命 チョコを作って!それでっ、頑張って告白して!それなのに…それなのに、お前はっ!!!」
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