157人が本棚に入れています
本棚に追加
/409ページ
「お邪魔致します」
スダキドリ祓いが終わって数日後、おっさんの家にショウセイさんがやって来たニャ。
「おう。なんだ？」
「室屋様、今日は後祓い師を紹介致します。ついて来て頂きたい」
何だか今日のショウセイさんは言葉使いが強いニャ……。
「後祓い師？ そんなの……」
「ついて来て頂きたい。その方にはニャガー殿の防具を作って頂くようお願い致しました。これからはその方に武器や防具の相談をして貰います」
「武器防具は今のままで俺は間に合って……」
「あなたの話はしておりません。あなたはあなたの片意地を張って好きなだけお怪我をすればいい。小生はニャガー殿の話をしているのです」
ショウセイさん……、怒ってるニャ……。
「ついて来て頂きたい。よろしいですね？」
「お、おぅ……」
普段怒らない人が怒ると怖いニャ……。
ショウセイさんはにっこりとボクに向かって微笑む。
「ニャガー殿もよろしくお願い致します。お体の寸法を計らなければなりませぬゆえ……」
「あ、はいニャ……」
怒った後に微笑まれてもメッチャ怖いニャ……。
ボク達はショウセイさんの案内で、京の街外れにある星河町（ほしがわちょう）にやって来たニャ。ここには後祓い師さんがいっぱい住んでるニャ。
町の名前の由来は、後祓い師さんが剥いだ荒御霊の皮がいっぱい干してあるからニャ。「干し皮町」が転じて「星河町」ニャ。
最初のコメントを投稿しよう！