31人が本棚に入れています
本棚に追加
「……な、んで私なの?」
別に私じゃなくてもお兄ちゃんが自分で行けば良い。
「お兄ちゃんが行きたいんだけど部活があるからさぁ」
出た!お兄ちゃんが私に甘える時に出る言い方。
「お願いだよぉ~」
両手を合わせてお願いするお兄ちゃん。
「……仕方ないな、分かったから」
というわけで私は再び葉月が居るだろう生徒会室に向かう。
さっき逃げちゃったせいで何となく行きにくい。
「…なんで逃げちゃったんだろう………………ハァ」
封筒を握りしめながら生徒会室の前に立つ。
ただこの封筒を葉月に渡すだけ…渡すだけ
そう自分に言い聞かせてドアを開ける。
中に居た人たちが皆、いきなり入って来た私を見る。
小型の男子は私を見るとすぐにソファーの後ろに隠れ、葉は机でぐっすり。眼鏡の男子生徒は葉月となにやら仕事中。
「…おや、君はさっきの」
眼鏡の男子生徒は私に気付いて笑顔を向ける。
その笑顔になんだか癒やされ………ない
癒やされるというよりかなにか企んでいるような?
最初のコメントを投稿しよう!