いちっ

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「…あの、葉月にこれを届けてくれって……お兄ちゃんが」 「織夜が?」 葉月の座る机に封筒を置き、眼鏡の男子生徒に一礼して部屋を出ようとする。 「待って!」 という葉月の言葉に思わず足が止まってしまった。 「………何?」 振り向きながら言うと葉月はまた悲しそうな顔。 「封筒、ありがとう……それと生徒会に入ってくれないかな?この時期は人手が足りなくて」 そんな事、私に言われたって 「…葉月、それじゃ説明になってないぞ」 眼鏡の男子生徒がツッコミをいれる。 「…自己紹介が遅れたね。俺は二年の東城 優(トウジョウ スグル)だ、よろしく」 東城先輩は執事のような黒髪に眼鏡、スタイルに至っては抜群で今は制服だけどスーツを着たら似合うと思う。 「は、はぁ……なんで自己紹介したんですか?」 まだ入ると決まってないのに 「…成り行きでね。でも生徒会に入って損は無いと思うけどね」 「………例えばなんですか?」 質問すると東城先輩は待っていたかのように引き出しから分厚い用紙を私に手渡した。 「…そこに書いてある通り、生徒会に入った者はあらゆる権限を得られる……例えば、先生に命令出来たりね」 せ、先生ダメダメ
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