いちっ

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こんなやり取りがあったせいで既に15時を回っている。 早足でお兄ちゃんの居るテニスコートに向かう。 「織羽ーー!」 お兄ちゃんが笑顔で手を振っていた。 「…ちゃんと葉月に届けたよ…早く帰ろ」 お母さんも待ちわびてると思うし 「あ、あぁ。そーいや、その、葉月なんか言ってたか?」 お兄ちゃんは不自然に頭をポリポリ掻く。 「……別になにも。早く帰らないとお母さんが心配しちゃうよ」 私の言葉でようやく帰る気になった。 ☆☆ 学園から歩いて数分、家に着いた。 二階建てで白い家。 「ただいまー…」 そう言いながらドアを開けるとお母さん… ホラー? 「おかえり、織羽と織夜」 ギュッと私とお兄ちゃんを抱きしめる。 …これは私が事故に遭ってからお母さんが始めた…らしい それをお父さんから聞いた時、胸が切り裂かれたように痛くなったのを覚えてる。
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