31人が本棚に入れています
本棚に追加
こんなやり取りがあったせいで既に15時を回っている。
早足でお兄ちゃんの居るテニスコートに向かう。
「織羽ーー!」
お兄ちゃんが笑顔で手を振っていた。
「…ちゃんと葉月に届けたよ…早く帰ろ」
お母さんも待ちわびてると思うし
「あ、あぁ。そーいや、その、葉月なんか言ってたか?」
お兄ちゃんは不自然に頭をポリポリ掻く。
「……別になにも。早く帰らないとお母さんが心配しちゃうよ」
私の言葉でようやく帰る気になった。
☆☆
学園から歩いて数分、家に着いた。
二階建てで白い家。
「ただいまー…」
そう言いながらドアを開けるとお母さん…
ホラー?
「おかえり、織羽と織夜」
ギュッと私とお兄ちゃんを抱きしめる。
…これは私が事故に遭ってからお母さんが始めた…らしい
それをお父さんから聞いた時、胸が切り裂かれたように痛くなったのを覚えてる。
最初のコメントを投稿しよう!