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保健の先生は「あらら~、喧嘩?」とか言って順番に手当てをする。勿論、私たちも手伝う。
こうやって見ると酷い有り様だ。葉月の他にも颯斗君は頬と瞼(まぶた)が腫れ、痛々しい。
東城先輩はレンズがない眼鏡をしている。唇が切れてるだけだ。
紅林先輩の傷は一番酷く、気を失っているけど傷は生々しい。頬と手足には切り傷があり、殴らた跡も…
「…………酷い」
こんな暴力は許されない……葉は誰の仕業か知ってるみたいだけど…
確か“end”って
「ね、千。“end”って何?」
知りたくなり隣りに居る千に聞いてみた。
「……やっぱり……これ、全部“end”がやったんだ」
千は唇を噛み締め涙を浮かべた。
………分からない事だらけだ…私は。
記憶の事もそうだけど皆の事だって何も知らない。
「………許せねぇ」
葉は私たちの前に立つ。後ろに立つ私でも分かる、肩が震えてる…拳を強く握っている…きっと…いや、怒ってるんだ。
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