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少年が立ち去った後
何人かの武士が立ち止まった。
浅葱色の羽織りを纏う彼らは
その場の有り様に驚いた。
「な、なんだよ…これ!」
一番若そうな少年は
恐怖や怒りを口調に表し
強く握った拳は震えていた。
「こりゃひでぇ」
一見陽気に見える男も
その時ばかりは眉間にシワを寄せ
堅い表情をみせる。
「お前ら、あれ…」
赤髪の男は
ある一点に視線を止めた。
「血の…あと?
もしかしてこいつの仕業か!?」
「何はともあれおってみようぜ」
彼らは頷いて
その血のあとをたどった。
少し歩いたところで
人影をみつけた。
そこには
少年が立ちすくんでいた。
「おい、おま…
「平助!!!!」
横から謎の影が迫り
平助という男を狙った。
カキーン
左右から来た敵をそれぞれ
隣にいた男が止める。
「てめぇらは…!」
敵を見た彼らは驚いた。
その敵は彼らが元々探していた
羅刹だったのだから。
処分しろという命令が下り
徘徊したところ
違う目的でここにきた。
だが最終的には
最初の目的を果たせそうだ。
「俺たちゃ、
今日はついてるかもなぁ!よっ」
そう言うと短髪の男は
敵を飛ばした。
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