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近くまで歩み寄ると、頭の側にしゃがんでみる。
「猫」
座布団を枕に本気で寝ている彼が、いっそ本物の猫か何かなら頭くらい撫でてやるのだが……。
「……無いな」
どう見ても人間の彼を撫でてやる理由など無い。無いのだが――。
今みたいに一瞬でも彼を「猫」と思うと、決まって、
(このままうたた寝を放っておくのも……。)
と、彼に関してはそういった感情が沸き起こる。
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