留守番

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最初に机や照明カバー、棚の上を 雑巾で拭いてから、窓、床……と進めていった。 照明カバー、棚の上、窓は結構汚かった。 真っ白だった雑巾は、もう真っ黒だ。 あとは、もう1回掃除機をかけて終わりだ。 「秘書さん、まだ若いのに、頑張るわね~」 廊下から覗きながらそう言っていたのは さっき掃除道具の場所を教えてもらった 清掃員の人だった。 明るい声で、元気だ。 歳は40代くらいだろうか。 「桜崎さんよね?良い秘書さんが入ったわね。  期待してるわよっ」 清掃員の人は微笑みながら廊下を歩いて行った。 「期待、か……」 私が、その期待に応えられなかったら、 裏切ってしまったら、どうなるのだろう。 静寂さんもきっと……呆れてしまう。 私は、期待に応えなきゃ 「あっ、あの……」 私は廊下を通っていた男性に声をかけた。
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