HR 「セーブするからちょっと待ってて」

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五月、色々な学校行事が終わり、一段落してきてきたある日、日曜日だというのに賑やかな教室があった。 俺がふふふんふーんと鼻歌交じりに画面に向かい作業している中、先輩が話しかけてきた。 「ちょっと聞いていいか東宮?」 「何ですか黒塚先輩、少し忙しいいんですけど。」 感違いだと思うが先輩の声に怒ってる雰囲気がある。 「まぁ聞け、なんでこんなとこでパソコンしてんだ?」 確かに俺のやってるのはパソコンだ、しかもネットサーフィンでもなければグラフなどの作成でもない、 そう、正しくやっていたのは「オンラインゲーム」だった。 「いや、なんでやっているかと聞かれたら面白いからですよ」 「じゃあ質問を変えるぞ、なぜこの場所でオンラインゲームをしている」 「そりゃ、ここならお茶もお菓子もある、ネットもつながるし言うこと無しな環境だと思いますけど、あっ、このパソコンは自前なんで気にしないでください。」 あっ、プチッっと何かが切れた音がした気がした 「そうか、そうか、おまえはこの教室にいる意味を理解してないようだな」 「へ?何ですか先輩、そんな嫌だな~」 「潰すぞ、"黒の魔鎚"」 先輩がそう言うと同時に、手には黒く、質量と存在感を放っている黒い巨鎚が構築されていた、それは大きく振りがぶられ、ただ一直線に潰す為の機動に入って─── あれ?これまずくね? 「ちょっと待ってくださいよ!」 「いっぺん潰れろ」 もはや話などは聞いちゃくれていない、あの先輩が怒ると決壊したダムのように止める術はない。 しょうがない、やるか──── 昔ある科学者がとんでもないことをやってのけた、それはあらゆる深層世界のつながりをなくし、あらゆる不可思議な出来事が起こった。 それの中でも『魔法』が使えることになったのは衝撃だった。 黒塚先輩が行ったのも魔法、俺が今から行うのもまた"魔法"だ。
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