ⅩⅢ

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私の背中を押したのは きっと…… 真由ちゃんだ。 春菜ちゃんを、真由ちゃんに返したあの日。 真由ちゃんは、 私を許してくれた…… そう思ってた。 でも―― 違ったんだ…… 許してなんてくれてなかった。 私達の乗った車を 崖に落とそうとしたのは真由ちゃんだった。 なんの為に 私はここにきたの? 頭の中いろんな事が、 ぐるぐると駆け巡る。 「でもさぁ、 本当、怖いよね。 真由ちゃんの霊、 春菜ちゃんに絶対取り憑いてる。 彩ちゃん、本当に可哀想。 春菜ちゃんに、つきまとわれてるもんね」 肩をすくめて、 恵子ちゃんが話した。 「和也達がくるまで、 ここにいよう。 春菜ちゃん、 きっと彩ちゃんの事、 探してるよ。 でも、相談してくれてよかったぁ~。 私達が、守ってあげるからね!」 私が相談? 記憶にない時間。 どうしても、思い出せない。 この、お祭りにみんなで行った事は覚えている。 あれ? でも、違う…… あの時、 お祭りには春菜ちゃんもいた筈。 春菜ちゃんと私は 一緒にお祭りに行く約束してたんだ。
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