にこの誕生日

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私の教室は三年生の玄関からは一番遠い所にある。って言っても三年生はみんな一階だからそんなに苦労はしないけどね。 玄関から教室に向かって歩く。自分でもわかっているけど今日は元気がない。今私ってどんな顔してるんだろ。かりにもミューズのメンバーなんだからシャキッとしなきゃいけないのに…しっかりしなきゃ。 それでも私は俯いて歩くかなかった。 だって、仕方ないよね。 前から私と一緒にアイドル研究部に居たあいつらが仲がよさそうに話しながら歩いてたらさ。 あいつらは私の事に気づきもしなかった。でもそれを許せてしまう私が居る。 俯いたまま教室の引き戸を開け中に入り自分の席に座る。 私は、なりたい私になりたい。 そう思って、二年前に入学してすぐアイドル研究部を作った。私と同じくアイドルに憧れる、憧れていた、憧れていたはずだった同級生と一緒に。 「はぁ………」 嫌な夢を見たせいで、どうしてもため息が出てしまう。たまに見るあのころの夢… だめだめ、にこはもう憧れるだけの存在じゃないんだ。にこはもうあのころのにこじゃない。今はスクールアイドルミューズなんだ。ラブライブに出場できれば、A-RISEと同じステージにだって立つことになる。そんな弱気じゃあみんなを笑顔になんてできないんだから! そんな風に頭の中身で唱えると、なんか気持ちも浮かんでこれた気がする。 よし、これならきっと大丈夫。
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