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「どうしたんだ? せっかくなんだしもらっておけよ。ここのコロッケはホントにうまいぞ」
「じゃ、じゃあ、ありがとうございます」
「どうぞめしあがれー」
やっとのことでおずおずとコロッケを受け取ると、元気いっぱいの声に促されて口へと運ぶ。
「んッ!?」
「どう、おいしい? おいしい?」
目を輝かせて訊ねてこられた包丁娘は、固くなっていた表情をほころばせて返す。けど、
「ええ、すごくおいしいです」
「でしょー」
喜んだ少女がぴょんと近づくと、また一瞬固まってしまう。
「もしかしなくても、けっこうな人見知り?」
「そ、そんなこと…………ありますけど」
最初は否定しようとしてたみたいだけど、何も言わずにじっと見てると観念したように頷いた。
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