【第三章 異世界生活】

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「南門を出てすぐの森だよ。あそこは魔物も出ないし、Fランクのクロウでも大丈夫だろ」 「それくらいならわたしも平気です!」  おい、オッチャンそこは空気読んでくれよ。 「それじゃあ、さっそく行きましょうか!」  意気揚々とワンピースをなびかせて歩きだすのはいいんだけどさ、もうストーキングですらねえのな。 「オッチャン、話合わせてうまくごまかしてくれればよかったのに」 「体の弱い嬢ちゃんがたまの外出ではしゃいでるんだろ、男なら付き合ってやんな」  そういうもんかね。はしゃいでるってのは言われてみるとたしかにそんな感じだし。  先行く包丁娘に目を向けると、 「なにしてるんですかー。早く行きますよー」 「分かった分かった、それじゃあ行ってきますわ」  まあ、薬草積み兼子守の依頼とでも思って頑張るか。 「王様、がんばってねー」  見送ってくれる肉屋の親子に片手を振りながら、白いワンピースの後を追いかけるのだった。
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