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流されるまま揺られるままに、ただその場の勢いに身を任せ、
「【身体強化(リーンフォース)】！」
魔法で強化し走る速度をのせたまま、叩き付けるように右腕を振るう。
衝突、衝撃。けど、オレの右腕がとらえたのは人狼の丸太のような左腕だった。
「いくらなんでも突撃は無茶です！ わたし当てないようにするなんて細かい制御はできませんよ！」
固い感触に弾き返され、障壁越しでも痺れが走る。ガードされた。その事実を頭が理解するより先。
「まだだ！」
弾かれた右腕を引き戻しながら、左足で腹を狙う。
つま先が突き刺さる。その寸前で半歩下がられ、ほんのわずか届かない。
「あーもう、どうなっても知らないですよ！」
後ろからの声に押されるように、軸にしていた右足で地面を蹴って、人狼の前を通り過ぎようとしていた足裏を腹めがけて叩きつける。
魔力で強化した脚力でどうにか一発。ただ無理な動きのせいで蹴りを入れたというより腹に乗ったようにしかならなかった。
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