【第三章 異世界生活】

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「狙い通りだけど、なッ!」  人狼の腹を足場として縦ではなく横に跳躍。  距離を取りつつ、蹴りとしてダメージは通らずとも人狼のバランスをわずかばかり崩したところに、 「青の偽典3章2節【果てしなき青(インフィニット・ブルー)】!!」  包丁娘の澄んだ声が凍てつく世界に染み渡り、その彩りに導かれ人狼を閉じ込める檻のごとく数百という水弾があらわれる。  刹那の間。全方位、逃げ場はない。それを理解する時間すらなかったろう。  水弾は嵐のように荒れ狂い、息つく暇なく人狼を痛めつけていく。 「あれ、この感じ?」  轟く音の中で、包丁娘が首をかしげる。けど、それが何かと問う暇はない。  ゾクリと嫌な予感に鳥肌が立つ。  青の魔力の暴虐の中で、その中心において不自然なくらい青の魔力が高まる。いや、魔力に疎いオレでも分かるくらいに一点に収束されている。 「伏せろッ!!」
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