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「キミがくれたヒッコシソバとやらの箱の中にソバの食べ方と一緒に入っていたものだ。兄想いのいい妹さんだな」
「確かに兄を(おもちゃとして)想ってくれてはいますでしょうね」
まあ、心配してくれたのは事実だろうし、今度会ったら全力のデコピン一発くらいで許してやろう。
「それで、ギルドの登録って何をするんですか?」
「そうだな。アリシア、地下の訓練室は何番が空いてる?」
「今は、だれも使ってませんよぉ」
「そうかなら一番、は大きすぎるな。試し打ちするだけだ、多少小さくても問題ない。三番の訓練室を借りるぞ」
持っていた酒瓶を受付のカウンターの上の置いたイロさんは、オレの手を取って歩き出す。アリシアってのは、受付さんの名前かね。
イロさんからは酒の匂いがかなりしてくるけれど、その足取りはしっかりしていた。
話し方も素面のとき変わりなかったし、酒には強いのだろう。てか、オレの質問はスルーですか。
不満が顔に出ていたのか、イロさんはすまんすまんと謝って説明してくれた。
「キミの使える属性を調べるんだ。ふつうはそう簡単にはいかんのだが、【心器】に目覚めたなら基礎魔法くらいはどうにかなるはず。五色すべて試してみて、使えたものがキミの属性だ」
おお、ついにオレも魔法を使う時が来たわけだ。人生初魔法、気合い入れていきますか。
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