【第三章 異世界生活】

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「ああ、それでシエナは……」  と、まずい。これは言わんほうがいいか。言葉の途中で口慌てて口をつぐむけど、どうやら遅かったらしい。 「そうです。お姉ちゃんはわたしの魔力を抑えるために、中等部に上がる前からずっと戦い続けてくれてるんです。わたしのせいで戦うことになってしまっているんです」  やっぱ、地雷だったらしい。一気に空気が沈み込む。 「それに、今日はあなたにも迷惑をかけてしまいました」 「いや、迷惑って。あそこから逃げ出せたのはお前のおかげだろ」 「いえ、そもそもあの空白獣が襲ってきたのは、たぶんわたしがいたからです」  座り込んだまま包丁娘は申し訳なさそうに見上げてくる。上目使いやめい。上からだと胸元も危ねえし。 「お前が空白獣に狙われたってのか」 「正確にはわたしの魔力に惹かれたのでしょう。最後に掴まれたときに魔力を持っていかれました」 「掴まれたときって、空白獣がいきなり苦しみだしたアレか?」
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