【第四章 反省と後悔と】

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「ま、まあね。あたしにかかれば回復魔法くらい簡単よ」 「でも、オレに使ってくれたのって10番台の魔法だったよな」  昨日の夜とかを思い出すと、たしかそうだったはず。そんなふんぞり返るほど難しいもんなのか。  ガヤガヤとうるさいギルドの一角で、ポツリと呟いたオレの疑問の声だったけど、クリスはしっかり拾って返してくれる。 「前に言ったでしょ。無の書以外は章と節の数字が大きくなるほど制御が難しくなるけど、無の書だけは番号と制御しづらさは比例しないんだよ」 「ふむ。つまり番号が小さくても回復魔法は難しい部類に入るってことか」 「そういうこと。回復魔法は程度に応じていくつかあるけど、一番ランクの低いのでも、難しい部類に入るんだよ」 「へぇ、やっぱすげえんだな、シエナって」  ギルドランクBは伊達じゃないってことか。  クリスにならってふたりで素直に感心の目を向けていると、シエナはたじろぐように椅子に座って苦笑を浮かべる。 「とはいえ、魔力の制御に関しては『心器(しんき)』のおかげなのよね」
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