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「でもぉ、イロちゃんの攻撃を無傷でしのいだのはポイント高いですよねぇ」
「そうだな。心器を出さないと発動すらできないとはいえ、発動さえすればこの年ではかなりのものだ」
二人の発言に周りも驚く。それに悪い気はしないけど、
「不意打ちは酷くないですか」
「そうむくれるな少年。テストだったんだから仕方ないだろう」
それは分かってっても、いきなりタコ殴りにされたら文句の一つも言いたくなるっての。
オレのぼやきを華麗にスルーしたふたりはなおもカウンター越しに思案顔を突き合わせている。
「Eランクでも問題ないとは思いますけどぉ、やっぱりこちらに来たばかりで経験が少ないうえ心器がないと戦えないのは不安が残りますねぇ。」
「ちなみに、少年はどれくらい心器を出していられる?」
心器ってのは持ち主の魔力の結晶で、出してるだけでも少しずつ魔力を消費するってのは知ってる。が、自分がどの程度かというと、
「すいません。分からないです」
頭の上に王冠乗せて出歩くわけにはいかなかったし、家の中では妹に笑われるし長時間出し続けたことがない。
「そうか。となるとやはり誰かがついてEランクのクエストに向かって試すのが一番いいんだが」
「今日は皆さん出払ってるんですよねぇ」
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