【第一章 赤の魔女】

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「ワタシたちもさすがに徹夜明けで魔力も心もとないしな」  悪いな坊主とか、オッチャンらもう歳だからなとか酔っ払いさん方も口々に謝ってくれる。  イロさんは昨日ぼろアパートでオレに色々とアドバイスをくれた後、仕事だといって夜中に出て行った。どうも夜行性の魔物の討伐依頼をこなしていたらしい。  この酒盛りも以来完遂の祝勝会的なもので、水を差してしまったようでなんか悪い気がするな。 「一度ランクを付けてしまうと三カ月は昇格が認められませんしぃ、やっぱりここは誰かついていける人が見つかるまで待った方がいいでしょうねぇ」 「そうだな。Fランクでは学校で困るだろうし、待つといってもたいしたことではない。もしかしたら面倒見のいい連中の誰かが今日中に帰ってくるかもしれんし、明日にはワタシたちも回復している」 「ということで今日のところはぁ、申し訳ありませんけどギルド登録は保留ということにしていただけませんかぁ」 「いいですよ。待つくらいどうってことないです」  アリシアさんに謝られるとこっちの良心が痛む。中途半端な性能のオレが原因なんだし。  待つというのも仕方がない。一分一秒を大事にするような性格でもないし、苦にはならない。というかオレ、一日中何もせずにごろごろしてても平気なタイプだし。  まあ、異世界ライフスタートだやっほい的なテンションはちょっとやり場に困ってるけども。 「だったら、ボクがついていってあげよっか?」
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