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「それじゃあ、今度こそ転移室に向かうぞ」
歩き始めたイロさんにクリスが続き、オレもそれについていこうとすると、
「シロウさん、Eランク目指して頑張ってきてくださいねぇ」
アリシアさんが激励してくれる。巨乳メイドさんの応援、これはがんばるっきゃないだろ。
「はい、精一杯頑張りますよ」
アリシアさんに見送られ、イロさんとクリスの後を追う。
さっき来た訓練室のある階のさらに一つ下、地下二階の扉を開けるとそこには円形の中に複雑な文様が描かれたものが大小20くらいあった。
これが転移陣ってやつだろう。漫画とかで見た魔法陣のイメージ通りだし。
「さてと、ワタシの見送りはここまでだ。後は頼んだぞクリス。少年の実力、しっかりと見極めてやってくれ」
「はい、任せてください。ズルはしませんよ」
胸を張るクリスかわいい。でもちょっとくらいは甘く見てほしいね。
クリスが扉の近くにある小さめの陣の上に乗って手招きしてくる。
誘われるままにオレが近づくと、陣が光り始める。たぶんクリスが魔力を流してるんだろう。
光が強くなっていく中、イロさんに頭を下げる。それに対し、イロさんが笑って手を振ってくれる。
その姿が次第に薄れていき、オレの目の前は真っ白に染まった。
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