【第一章 赤の魔女】

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「えっ、あっ、ごめん。クロウエ・シローだね。今度こそちゃんと覚えたよ。よろしくシロー」 「いや、こっちこそややこしい言い方で悪かった」  シロウ・クロウエって名乗ったほうがいいかもな。今度から覚えてたら気を付けよう。 「それじゃあシロー、さっそく森へ行こうか」 「おう、でもオレ薬草の見分けとかできないんだけど、特徴とか教えてもらっていいか」 「それなら、はいどうぞ」  渡されたのは折りたたまれた白い紙。開いてみると何やら植物の葉が描かれていた。 「たぶんいるだろうなと思って、挨拶ついでにここのギルドの人にもらっておいたんだ」 「おお、サンキュー。助かるよ。」  かわいいうえに気が利くなんて、クリスマジ天使。 「でも、手を貸すのはこれくらいだよ。このあとボクはいざって時しか手を出さないからね」 「了解。オレのテストなわけだしな」  手を借りすぎてFランクでも困るし。 「そういや、Fランクだと具体的に学校でどう困るんだ?」  そこが分かっていた方ががんばれるだろう。オレ目的がはっきりしてないとやる気でないタイプだし。 「うーんそうだね。とりあえず歩きながら話そうか」
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