【第一章 赤の魔女】

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 先に行ったクリスを追って横に並ぶ。この町はリリアネスに比べるとかなり小さく、建物も整然としてはいない。  けど今まっすぐ進んでいる通りはメイン通りなのか並んで歩いていても、邪魔になることはいっさいない。  リリアネスは王都なわけだし、それと比べて小さいだけでこの町が全体から見てどの程度のレベルなのかは分からないか。  オレ、こっちの世界の平均的な街がどんなもんか知らないし。 「Fランクで困る理由ってのは簡単でね。学校からクエストを受けるときにFランクのやつしか受けられないでしょ」 「まあ、そりゃそうだよな。あっ、もしかしてFランクだと点が低くなるとか」 「うん。それもあるよ。でもそれ以上に班を組みにくくなるんだよ」 「あーそっか。学校からクエスト受けるときって班行動なのか」  それなら納得。班にランクの低いやつが入ったら、 「班全体が高いランク受けられなくなるもんな」 「メンバーの実力によっては少しくらいなら大目に見てもらえるけどね。それでもやっぱりFランクじゃあ歓迎はされないんだよ」 「そういうことか。なら気合い入れて頑張らないとな」 「そうだね。その調子でがんばってね」  笑って駆け出したクリスは、数歩もいかないうちに振り返る。 「さあ着いた。ここが依頼の薬草のある森だよ。ここからはボクは危険がない限りは手を貸さないから頑張ってね」 「へえ、ここなのか」  想像していたよりはいくらか明るい。もっとおどろおどろしいところかと思ってたんだけど。  まあなんにせよ人生初のリアルクエストだ。精一杯頑張りますか。
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