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「今みたいにボクらの使う魔法は正確には魔導書魔法とか簡易魔法って呼ばれるものなんだ」
「簡易?」
「そう、簡易。さっきの例えでいくと本物の魔法が絵なら、ボクらの使う魔法はスタンプみたいなものなんだよ。絵を描くみたいな技術はいらなくて誰でも使えるけど、そのかわりもともと用意されてる分しか使えない」
ここまで言われればオレでもわかることがある。
「その用意されてる分ってのが魔道書なわけだ」
「その通り。魔道書のことは知ってるんだね」
「基本的なことだけはな。大昔のすごい魔法使いたちが作った魔法の載ってる本で、赤・青・緑・白・黒・無の六種類があるんだよな」
「そうだね。その大昔の魔法使いたちは魔力にある五つの特性に気付いたんだ。そしてその特性と相性のいい魔法現象を体系化して五つの本を作った。それが無の書以外の魔導書なんだよ」
「無の書の魔法はその特性とやらに関係なく誰でも使えるんだったっけ」
「そう。五人いた魔導書の編纂者たちがそれぞれ得意な色の魔導書を作った後、力を合わせて誰でも使える色を作ったんだ。だから無の書だけは他の色と少し違うんだ」
「えっとたしか無の書は他の色より魔法の数が多いんだよな」
「多いのもあるけど、綺麗にまとまってない感じかな。たとえばさっきボクが使った【風撃(ブラスト)】みたいに、他の色の魔法は魔導書の名前と魔法名の間に何章何節って入るでしょ」
「入ってるな。あれって1章から順に基礎級・下級・中級・上級・最上級でそれぞれに10節まであるんだよな」
「大体当たってるけど最上級の5章はひとつしか魔法がないってことも覚えておいた方がいいよ」
「了解。てことはそれぞれの色に41種類の魔法があるわけか」
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