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赤髪のスラリとした体を隠すものは黒い布切れが2枚だけ。どこがとは言わないが遠目に見ても残念なサイズなのが見て取れる。でもくびれから尻にかけてのラインは眼福と言っておこう。
「しかも黒下着とか。まさか見られるのが好きな変た……」
「【赤の魔弾(レッドバレット)】!!」
「うおっ!」
またもや最後まで言わせてもらえない。てか、いきなり撃ってくんなよ、あぶねえな。
「違うわよ! これもただの水着だし!」
あ、そうなのか。いやでも、水着だったとしても浴衣を脱ぐ必要はなくね?
オレの方に意識を向けた隙を見逃さず青ライオンが氷の弾幕を張るが、赤髪は軽くかわして距離をとる。そしてその青い双眸を敵に戻し、
「そろそろ終わりにしてあげるわ」
不敵な笑みを浮かべると今度は視線を向けずにオレへと言葉を紡ぐ。
「そっちのバカもよく見てなさい。ちゃんと理由はあるのよ!」
空気が変わり、青ライオンも警戒したのか自分の周りに浮かべる氷のつぶてを増やしていく。
「焼き尽くすわよ! 『赤の貴婦人(カーディナル・レッド)!!』」
赤髪の体を炎がつつみ、ゆっくりと収束していき大きく背中の開いた深紅のドレスを形取る。そして露出した背中から炎で編まれた2枚の翼が広がった。
「赤の書、4章、3節」
一言ごとに真っ赤な羽根が舞い散り、地面に複雑な円形の陣を描いていく。4章って、上級魔法!?
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