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「そんなわけでぇ、ギルドの受付といたしましては無策無謀を注意させていただきましたぁ。ですがあなたが動かなければあの男性は助からなかった可能性が高かったですし、私個人といたしましてはその無謀さは好ましく思いますよぉ」
「そうだな、少年の勇気でひとつの命が助かったのは事実だ」
周りにいるイロさんと酒を飲んでいた酔っ払いたちの残りも、若いもんはこうでないととか、おっちゃんも若いころはと口々に声を上げる。
怒られるのはもちろんいやだけど、ほめられるのも居心地が悪い。勇気とかではないわけだし。あんな一心にすがりつかれたら、はねのける方が度胸いるよな普通。
というか、ほめるならギルドランクの方をどうにかしてほしい。
「公正を期す受付といたしましてぇ、ギルドランクを甘く見積もることはできません。ですのでぇ、かわりにシローさんがEランクにふさわしい実力を身に着けるまでわたしが魔法を教えて差し上げましょうかぁ」
「へ? アリシアさんがですか」
「はい、手があいた時だけですけどねぇ」
「アリシアは受付をやっているがギルドランクはAで実力は折り紙つきだ。しかも属性は白だが、無属性も得意としていて少年に魔法を教えるのに適任だと思うぞ」
「Aランク!?」
驚くオレに酔っ払いたちも、アリシアちゃんだけは怒らすな、微笑んだまま鉄拳でボコボコにされるぞ、と追加情報をくれるも、
「皆さん?」
アリシアさんの微笑みに目をそらして酒盛りを再開する。
え、受付嬢って武闘派がやるもんなの?
「まあ、トラブルの解決に当たることも多いですからねぇ」
そうか、解決(物理)というわけか。
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