【第二章 銀嶺館】

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「おはようございます。アリシアさんはいますか?」  ギルドにたどり着くと受付にアリシアさんの姿が見えなかったんで、酒を飲んでる一団に声をかけてみた。 「アリシアちゃんなら奥でマスターと話し合ってるぞ」 「しばらくしたら戻ってくると思うから、それまでゆっくりしとけばいいぞ」 「そうですか。ありがとうございます」  さて、そうは言われてもどうするかね。 「シロー、おはようッ!」  酔っ払いさんがたの奥にあるテーブルの方から声が飛んでくる。  元気いっぱいに笑顔を振りまくクリスは今日もやっぱりかわいいなぁ。男だけど。  手前にあるテーブルを占領している酔っ払いたちの間をぬって奥へと向かう。  イロさんもまじって酔いつぶれてるのかと思ってたんだけど、その姿はない。あの人昨日はどうしたんだろ。 「おはようクリス。昨日は色々とありがとな」 「どういたしまして。アリシアさんに聞いたけど昨日は残念だったね」 「Fランクのことか。たしかに残念だったけど、アリシアさんが訓練してくれることになったからトントンってとこだな」 「アリシアさんが教えてくれるんだ。あの人普段は優しいけど、教える時は恐いから覚悟しておいた方がいいかもね」 「それ、シエナにも言われたな」  あの人どんだけ鬼教官なんだよ。ちょっと逃げたくなってきたぞ。
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