【第二章 銀嶺館】

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「さあ、まだまだいきますよぉ」  声はのんびりと、しかし動きは機敏に。  魔力の鎖をはじききったオレに向けてアリシアさんがメイド服をなびかせて突っ込んでくる。 「もう一度ぉ。【縛鎖(チェイン)】」  至近距離からさっきと同種の呪文が響く。省略形の分威力は落ちてるんだろうけど、 「こなくそッ!!」  この近さじゃ捌ききれない。しかも、これ攻撃が目的じゃない。  はじこうとしたこっちの腕を狙って巻き付いてくる。 「さて、両手を封じたところでぇ」  右手を振り上げるアリシアさん。その動きに合わせて豊かな双丘がゆれるけど、今はそれに目を奪われてる場合ではない。 「無の書4番【斬剣(ソード)】」 「こんにゃろ!!」  間にあえッ!  アリシアさんが掲げた手に輝く剣が現れ、オレが力づくで鎖を引きちぎり、 「おおー、やりますねぇ」  これぞ真剣白羽どりぃぃぃいいい!!  やべ、ギリギリでうまくいってテンションがおかしいな。 「……やっぱりですかぁ」 「へ? どうしたんですか?」 「いえ、なんでもありません。シロウさん自身が気付くべきことですからぁ」  そう言われると、余計に気になるでしょうが。  オレの不満に気がついたのかアリシアさんの笑みが一層深くなる。 「そんなことよりも、続けますよぉ」  両手の平の間から魔力の刃が消え失せ、アリシアさんがひとっ飛びに距離を取る。  ロングスカートがふわりと広がりその奥に秘められていたおみ足がわずかにのぞく。  アリシアさん、胸が大きいだけでなく足もきれいとはハイスペッ…… 「【魔弾(バレット)】」 「ふぎゃッ!」 「気を抜いちゃダメですよぉ」
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