【第二章 銀嶺館】

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「シロー、大丈夫?」 「おー、ダイジョブダイジョブ」  アリシアさんとの訓練という名の一方的な虐殺をなんとか生き延び、精根尽き果てたオレをクリスが心配してくれる。  緑のポニーテールを揺らし、小動物然としたその姿はホントに癒されるなぁ。  それに比べて、 「………………(ガツガツぱくぱくモグモグ)」  この貧乳痴女はまったく我関せずと食事に全力を注いでやがる。  朝もあれだけ食べたのによくそれだけ食えるもんだな。その栄養はどこにいってんだか。 「……(モグモグ)」 「おい、いきなり無言のまま銃を突きつけんな!」  目がド真剣だし。  シエナは口の中のものをしっかりと味わい飲み込んでから、 「スッゴイ失礼なこと考えてたでしょ、変態」 「か、考えてねえよ。あと外でその呼び方はやめてくれ」 「……視線が下がったのに気付かないとでも?」 「すいませんっした!!」  ギルド一階の酒場の一角でアリシアさんとの訓練から戻ったオレ、オレを待っててくれたクリス、依頼を解決して戻ってきたシエナの三人は食事をとりつつそんなやり取りを繰り広げていた。
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