【第三章 異世界生活】

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 思わずクリスとハモっちまった。  なんか隣で赤かったり青かったりしてるとは思ってたけど、パニクりすぎだろ。 「落ち着け、雰囲気だ。ただの雰囲気」 「そんな空気もないわよ!!」 「じゃあ、冗談だ。小粋なジョークってやつ」  ちょっとからかわれただけで慣れてなさすぎる、とは思うけどどうなんだろう。  オレが夫婦とかってからかられるのに慣れてるだけかね。まあオレの場合、双子でもないのに兄妹そろって同学年ってのが珍しくていろいろ言われたし。  ……あのバカ妹も面白がってのっかってやがったし。 「そうよね。ふ、夫婦なんて……」  シエナの言葉は、最後まで言い切られなかった。  固いものが床に叩き付けられる音が、その言葉を遮ったんだ。 「……夫婦?」  しんと冷え切った声が響き渡る。
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