【第三章 異世界生活】

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「でも……」 「もうちょっと、もうほんの少しだけだから無理はしないで」 「無理してるのはお姉ちゃんじゃないですか! わたしはいつも何もできなくて、お姉ちゃんに苦労を押し付けるばっかりで」 「そんなことない。あたしは大丈夫よ」 「大丈夫なわけ……」 「いいから、今日のところはもう帰って休みなさい」 「……はい」  ………………えっと、完全にオレたち置いてけぼりなんですが。  となりのクリスを見るも、こっちも真剣に聞き入ってるせいか反応してくれない。  うん、ここは空気読んで静かにしておこう。静かなること山の如し。いやあれ林だったっけ。ぶっちゃけ山も林も動かないし静かだしどっちでもいいよね。 「まだ完全に治ったとは言い切れないんだから、油断しちゃだめよ」 「わかってますよ、お姉ちゃん」  とぼとぼと外へ向かってシエナの妹は歩き出す。あ、終わったの。
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