【第三章 異世界生活】

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「あのさ、シロー」  外へと向かうシエナの妹の後ろ姿を見送っていると、クリスが服の裾を引っ張って呼びかけてくる。 「ん、なんだ?」 「時間、大丈夫なの?」 「時間? ………………やべ」  さっきの騒ぎで忘れかけてたけど、そろそろ商店街の方に向かわないと。 「教えてくれてありがとな。と、そうだ。シエナ、晩飯って肉なら何でもいいのか?」  妹を見送っていたシエナに一応確認を取っておく。なにごともチェックは大事だ。  というか、シエナの方も急がなくていいのかね。 「うん、あんたの気分で見繕ってきて」 「了解、適当に用意しとくわ」  さてと、それじゃあ急ぐとしましょうか。 「……晩飯? ……用意しとく?」  ギルドを出る時に聞こえてきたささやきは恐いので聞かなかった方向で。
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