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――誰に相談すべきか。
ナターシャは自室のベッドに横になりながら、天井を見つめていた。
頭の中ではずっとサハンの言葉が響いている。
”すべての答えはアカツキが眠る場所にある”。
アカツキが眠る場所がどこなのか思い付かない。
今のナターシャは一人きりで身動きが取れず、相談すべき相手を第一に探すべきではと考えていた。
もちろんジルやクルトは論外だ。サハンも頭の片隅に過ぎったが、深く息を吐き出してすぐ別の人物を思い浮かべた。ナターシャ自身親しい知り合いがジルヴィア中央国立学園都市にはほとんどおらず、すぐに思い浮かぶ人が出てこなくなった。
「マット・スクーズ……か? だけど……」
頭に浮かべた人物の中で一番まともだとナターシャは思っているが、何か決め手に欠けている。
ラディの従兄弟にはジルを崇拝しているアレンがいる。ラディはおっとりした表情をしていて、隠し事がうまい。しかし二人が従兄弟同士ということで躊躇してしまう。
「……仕方ない。数日様子見て考えるか」
起き上がったナターシャはパソコンの電源を入れて、一通のメールを送った。
それはラディ宛で明日の昼食のお誘いだった。
「とりあえず第一弾はこれでいいか」
ラディの返信も想像付いているナターシャは、明日の昼食の心配はしていなかった。
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