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するとダインは、
「お前こそ、何マルスにお守り渡してんだよ!」
マルスの首に着けていたお守りのペンダントの事を話し出した。
「良いじゃない別に!! そんな事で怒るダインには、ダインの分のお守りあげないんだからね!」
顔を赤くして、カリヌは、ダインにも作ったお守りを見せびらかし、また腰に付けた鞄に仕舞おうとした。
「なぬを!!」
ダインは慌てお守りを取ろうとしたが、カリヌは直ぐ様お守りを取られないように慌て鞄に仕舞い、喧嘩しながら、どこか楽しそうに見える二人。
それを見ていたマルスは、あの頃から未だにその寂しさが拭えず、何処か皆との距離を感じた。
村長宅へ戻り、自分の部屋に戻ったマルスは、
「……やっぱりオレの居場所ってココに無いんだろうなぁ……」
ベッドの上に寝転がり、カリヌに貰ったお守りのペンダントを外し、白い石を持って呟いた。
「ディダ……今どうしてんだろ?」
うつ伏せになったままマルスは、ゆっくり眠りに落ちた。
そして、朝がやって来た。
まだ日の差し込まない時間、外へ出ると霧が立ち込め、寒さが身に染みる。
マルスはそのまま門に向かわず、里からほんの少し離れた場所に小さくもそれなりに大きな畑や果樹の木々があった。
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