0人が本棚に入れています
本棚に追加
マルスは畑を見渡した後、門の前まで行くとアレスが立っていた。
「あれ? なんでいるのアレス村長?」
「お前を見送る為だ。 畑を見てきたのか?
まったく、段々くそムカつく奴に似てきたな……」
多分エブラの事だろう。
アレスは自分の胃を擦っていた。
「アハハ、野菜そろそろ収穫出来るから頼みます。
それじゃいってきます」
分かって作り笑いするも、野菜の事を頼み、出ようとすると、
「あぁ、勝手に捕まってココを教えんなよ」
下手に何処かの教会に捕まって、拷問でバンパイアの里を教えさせ、バンパイア狩りの習慣がまだ盛んな時代だ。
里の外へ出たがらないのはその為で、マルスの心配よりもそっちの心配が強い。
「教えるか!! まずはアダム神父に会って、情報収集してディダを探します」
マルスはアレスの心配を知っているからこそ、強く言った。
その後で、もっとも信頼を寄せるアダムに会いに行くことにした。
「まったく、とっとと諦めてココに住めば良いものを……」
「諦めないし、早すぎだし」
マルスはアレスに突っ込みを入れた。
「んじゃ頑張って探しに行ってこい!」
アレスはマルスの肩を叩き、
「うん、いってきます!」
笑顔でマルスは手を振りながら走り出した。
マルスが見えなくなってから、
「本当にティーアにも似てきたな」
そう笑って、アレスは自分の家へと帰っていった。
最初のコメントを投稿しよう!