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マルスは大きな街に着いた。
とても大きく、人々は賑わい、道で商売している人達に、馬車もひっきりなし動いていた。
その中心にあるのは、城ではなく大きな教会だ。
マルスは教会の門の前にいる近衛兵に、アダムがいるか聞いている時だ。
「……? えっ……もしかして……マルス!?」
女性の驚く声が聞こえ、振り向くと、
「アリス!? 全然変わんねぇ!!」
そこに居たのはシスター姿のアリスだ。
しかしそれ以外はまったく変わっておらず、びっくりするマルスに対して、
「第一声がそれかい!!」
怒ったアリスがマルスにチョップを喰らわせた。
ある応接室、アリスに通されるマルスの頭にはたん瘤があったが、座って待っている間に消えていた。
そして、応接室の扉が開き、マルスが立った。
入ってきたのは、もちろん、
「……マルス? 本当に大きくなったなぁ!
1年ぶりか? 里で会ったきりだったが、1年でここまで成長するなんて!」
あのアダムだ。
6~7年も経っていたので、アダムの顔に多少シワがついていた。
嬉しそうにマルスを抱き締めるアダムに、
「アダム神父、お久しぶりです!」
マルスも笑顔で挨拶した。
アダムが前の席に座った処で、
「もう、かれこれ約7年位の月日が流れたが、ディダの行方は分かっていない」
今の状況を話す。
実はマルスをバンパイアの里に預けた後、独自でディダを探していたのだ。
「そうですか……すいません、もしかしたらアダム神父が知っていると思ってしまい……」
落ち込むマルスだったが、もしかしたらアダム自ら見付け出していると思い、やって来たのも1つの目的であり、本来の目的は、
「いや、噂だけなら色々聞いているが、私独自での信憑性ある噂を聞くかい?」
アダムは色々ある噂の1つを口にした。
そう、これが本来の目的だ。
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