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自然豊かな森の中。
何かの木々をぶつけ合う音がする。
その木々が、ぶつけ合えば合うほど歓声が沸き上がる。
森の中に広々とした空間があった。
14歳位の少年二人が木刀を持って戦っていた。
1人は、短い黒髪の少年で、もう1人は赤に近い茶髪の少年で、前から見ると少しボサボサに肩くらいまで髪を伸ばしているが、後ろを見ればよく分かる。
後ろの一番下の髪だけを背中まで伸ばし、上の方で紐で止めていた。
黒髪の少年は茶髪の少年に木刀で、突き刺す様に何度も繰り返し、挙げ句には顔にまで突こうとした。
だが、茶髪の少年は全てを見切って軽やかに避けていき、黒髪の少年が一瞬疲れを見せた処を見逃さず、茶髪の少年は一気に黒髪の少年の木刀を自分の木刀へ絡ませる様に投げ飛ばし、その勢いのまま振り落とした。
そして、次の瞬間、
「両者そこまで!! 勝者マルス!」
審判役であろうオールバックの黒髪の男性が大声で言うと、茶髪の少年が振り落とす木刀は黒髪の少年の右肩ギリギリだった。
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