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アレからもう6~7年も経っていた。
ディダは酷い嘘までついて、自分を探させないようにした。
でも、それでもディダがあの時の争いで死んでいなければ、また会えると信じることで、バンパイアの里に住み、必死に耐えたし、悔し涙まで流した。
しかし、今ではまだ認められてないとしても、皆から嫌な目線は消えた。
そんな事をつい思い出し、頭を撫でられているカリヌの嬉しそうな顔は、少し自分を重ねさせた。
何も知らない無知な自分を空しくさせた。
「な~に、青春してんだマルス?」
ニヤニヤと笑うアレスがやって来た。
マルス、今の状況を把握と分析中。
そして、
「うっーせよ!! ほら、とにかくもう、早くカリヌ帰るんだ!!」
顔を真っ赤にして、マルスはカリヌを帰そうとした。
「う、うん……待って、これ、日のバンパイアに伝わるお守り……渡そうと思って作ったの」
カリヌは腰に付けている包みから、小さく綺麗な鉱石が彩られ、中央に白く丸い石が革紐で何本も固定されていたペンダントだ。
それをマルスの首に付けてあげた。
「あ……ありがとう……」
顔を赤らめ、照れるマルスに対して、
「んじゃマルス、ちゃんとカリヌを送って行くんだぞ」
またもやニヤニヤのアレスは、マルスにカリヌを送ってやるよう指示した。
「何でそうなるんだよ!!!?」
アレスに凄い突っ込むも、カリヌが嬉しそうにしているので、とりあえず送ることにした。
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