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不思議なことに、今でも覚えている情景があります。 私は家の中で祖父と一緒に遊んでいました。 しかし、祖父はおもむろに立ち上がると、彼のお気に入りだった帽子を頭にかぶり、廊下を抜け玄関の方に歩いて行きます。 私は祖父を懸命に追いかけますが、祖父はドアを開けて、そして瞬間、こちらを振り返り、外に出てしまいました。 ドアの外は真っ白に光っていたと、記憶しています。 それ以来、私は祖父をぱったりと視なくなったそうです。 後に祖母に聞いたところ、その時の祖父の格好はよく彼が出かける際にしていた服装で、ドアを開けた後にちらっと振り返るのは彼のよくする癖だったそうです。 そんな不思議な事が、私の幼少期にはありました。
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