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姉妹達が会社に勤める程の年齢になった頃、やっと祖父の家業も安定してきました。
丁度その頃は所謂“バブル”と呼ばれる時代でした。
祖父の若い頃は近隣でも噂の遊び人であったため、昔の血が騒いだのでしょう、祖父は昔に戻ったように酒を呑み、競馬を始め、しかし仕事は忘れませんでした。
祖父の豪胆な性格にあてられたのか、母親も自分の稼ぎを充てて家族全員を京都に連れていったようです。
彼女は今でもその事を私に誇らしげに語ってくることがあります。
私はそれを聞き流しながら、度々祖母や母親の語る、今は亡き祖父の面影に思いを馳せることも少なくありません。
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