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彼女は、喋らない。 目が合う度に私に向けるその柔らかな微笑みや、そっと私の身躯に触れることで彼女は密やかに愛を告げる。 だから、かわりに私は彼女にありとあらゆる言葉を尽くす。 表面張力が破れてコップから水が溢れ出すように、私の言葉が彼女を満たし、彼女の瞳から私への想いが滴り落ちるのを認めるまで、私は彼女に愛を囁く。 それは永久に変わらない。 ……それが私の彼女への償い。
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