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「ミオちゃんー!!御指名よ!!」
「はい、今行きます!!」
甘い香水と身体のラインが出るロングドレスを身に纏い、周りに居る男達に笑顔を振り撒きながらお酒を喉に流し込む。
そんな夜の世界で働く私は、十年前まで『お嬢様』と呼ばれるような存在だった。
本名、綾瀬美桜(アヤセミオ)。
実年齢は28歳だけど、お店では5歳サバを読んで23歳。
昔から童顔だと言われていたから、誰にも気付かれる事なく過ごしてる。
知らない男性に笑顔を振り撒くのも、浴びるようにお酒を飲むのも全てはお金のため。
お店ではナンバー1だと言われているけど、私にはどうでもいい事。
お金を稼げるなら何でもいい。
「ミオちゃんは今日も可愛いね。」
「ありがとうございます。西嶋会長のような素晴らしい方に褒めていただけるなんて、とても光栄です。」
「ははは!!ミオちゃんは客を喜ばせる天才だね!!何か困った事があれば、いつでも私に言うんだよ?ミオちゃんのためなら何でもしてあげるからね?」
「会長、ありがとうございます。」
私の身体を厭らしい目付きで見ているこのオジサンは、一流企業の会長でいつも私を指名して口説く。
私の身体を手に入れるために甘い言葉を囁く、優しい紳士の仮面を被った獣。
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