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「はあ。」
明日から結衣に振り回されるかと思うと、気が重すぎて溜息しか出ない。
結衣の事は大好きだけど、幼い頃から姐御肌の結衣に守られてきたせいか、大人になった今でも結衣の言う事を聞いてしまう。
結衣と同じ年齢なのに何年経っても心配される私って、やっぱり弱くて頼りない人間なのかもしれない。
「はあ。」
また溜息が出た。
どんなに悩んでも、結衣の家へ行く事は決定してしまったんだから、潔く諦めて荷物の準備でもしよう。
明日から一週間も結衣の家でお世話になるんだから、手土産が必要よね?
ケーキでいいかな?
おじ様とおば様に会うのも十年振り。
パパ達の事を聞かれても冷静に対応して、絶対に隠し通さないといけない。
「荷物はこれでいいかな?」
最近、洋服なんて全く買ってないから適当に選んだけど、殆どの洋服がワンピースだった事に驚いた。
私がワンピースしか持っていないのは、幼い頃に蓮から言われた『美桜はワンピースが似合うね』っていう一言が原因なんだよね。
「私って本当に馬鹿みたい……、」
結衣との電話が長かったのか、いつの間にか夕方になってるし、今日は疲れたから夕食もお風呂も止めて寝よう。
纏めた荷物を玄関に置いて着替えを済ませ、ベッドに入り眠りについた。
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