106人が本棚に入れています
本棚に追加
《驚かないって事は、既に知ってたのね?》
「ええ。蓮は経済界では有名だから、お客様から蓮の婚約について聞いたの。」
《……お客様?どういう事?》
結衣は心配性だから仕事の話はしたくなかったけど、もう隠せないよね。
「私『EDEN』っていうお店でホステスをしてるの。」
《っ、ホステス……、どうして?おじ様の会社が倒産したから、お金のためにホステスをしているの?おじ様とおば様は?今どうしてるの?》
「っ、パパとママは海外に居るわ。」
パパとママが亡くなった事は誰も知らないから、結衣や多恵さんに話すつもりはない。
悲しむのは私一人でいい。
結衣と多恵さんまで悲しませる必要はない。
《おじ様とおば様からの仕送りがないから、美桜は自分で稼いでるって事?》
「私、もう28歳なのよ?パパ達に頼らなくても、自分の生活費ぐらい稼げるわ。」
《でも、ホステスの仕事は厳しいでしょう?身体壊したりしてない?》
「店のママや女の子達、お客様、皆とても良い人達ばかりだから凄く楽しいわ。心配しないで。」
本当は楽しくなんてない。
毎日凄く辛い。
ママや女の子達は凄く優しいけど、お客様は私の身体を欲しがる人ばかり。
正直もう限界だけど、結衣に心配はかけられない。
最初のコメントを投稿しよう!