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《美桜が元気ならいいの。でも困った事があるなら私を頼って欲しい。》
「っ、結衣――…、ありがとう。私は元気だから心配しないで。」
一瞬、結衣の優しさに縋り付きたくなった。
『助けて』って叫んでしまいそうだった。
私は一人で生きて行くと決めたのに心が揺らいでしまうなんて、強くなれない自分に呆れる。
これから先の人生が凄く心配になる。
やっぱり、結衣に連絡したのは間違いだったかもしれない。
本当の私を知ってる結衣の前では弱い自分が出てしまうから、もっと冷静にならないとね。
《美桜が元気だって言うなら信じるわ。》
「結衣、ありがとう。」
《それじゃあ話を戻すけど『R』の事で蓮に話を聞けるのは、お金を手にした美桜だけよ。だから蓮の婚約披露パーティーに行ってみない?》
「っ、私じゃないと駄目?結衣と聖也君でも無理かな?」
結衣が駄目でも、聖也君の話なら蓮は聞いてくれるかもしれない。
蓮と聖也君は幼なじみで親友だから、きっと大丈夫だと思う。
本当は蓮に会いたい気持ちで一杯だけど、婚約する女性と微笑み合う蓮の姿を見たくない。
冷静でいられる自信がない。
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