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《はあ、聖也には頼めないわね。蓮の婚約が決まってから聖也の機嫌が悪いから、美桜からの頼みだって言っても無理だと思う。》
「聖也君に何かあったの?」
いつも笑顔で王子様みたいに優しい聖也君が、蓮の婚約を知って機嫌を悪くするなんて、二人の間に何かあったのかな?
兄弟のように仲が良い蓮と聖也君が喧嘩をするなんて、凄く不安な気持ちになってしまう。
《聖也は、蓮の婚約者になる女が気に入らないみたいよ?》
「聖也君が人を嫌うなんて珍しいね?でも、蓮が選んだ人なんだから素敵な女性でしょう?」
自分で言った言葉に傷付いてるなんて馬鹿みたいだけど、私は今でも蓮を想っているから、心の痛みは我慢するしかない。
《まあ、外見は綺麗だけど中身に問題有りって感じかな?私も聖也と同じ気持ちよ?あの女は嫌い。》
「結衣と聖也君が気に入らなくても、蓮が選んだ女性なら絶対に素敵な人だと思うから、幼なじみとして祝福してあげないとね……、」
蓮を想う私の気持ちは永遠に消える事はないけど、蓮には幸せになって欲しいと心から思ってる。
私には蓮と過ごした宝物のような思い出があるから、これから先も一人で生きていける。
きっと大丈夫。
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