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《それじゃあ、明日から家に来てね?》
「……え、どうして?パーティーは一週間後でしょう?」
《蓮の幼なじみとして恥ずかしくないように、エステに行ったりパーティー用のドレスを選んだり、色々準備があるから明日から家に来て!!》
「ドレスは自分で用意するから大丈夫よ。それに、一週間も仕事を休めないわ。」
本当は一週間ぐらいなら仕事を休んでも平気なんだけど、私にはお金を稼がないといけない理由があるから、出来るだけ仕事は休みたくない。
《美桜が来れないって言うなら、私が『EDEN』に行ってもいいのよ?》
「っ、分かった。明日から結衣のお家へお邪魔するわ。」
心配性の結衣がお店に来たら、偽の笑顔を振り撒いて浴びるようにお酒を飲む私を見て、ホステスを辞めるように言うと思うから、それだけは避けたい。
今の私にはホステス以上の仕事なんてないから、結衣の言う事を聞いて一週間休めば、辞める事にはならないはず。
《良かった!!それじゃあ、明日から家に来てね?迎えの車を用意するわ!!》
「タクシーに乗って行くから車は必要ないわ。時間は明日の午後でいい?」
《私は何時でも大丈夫よ!!多恵さんにも伝えておくからね?それじゃあ、明日ね!!》
「ええ、今日はありがとう。また明日。」
結衣との通話を終わらせてソファーに座り、沈む気持ちを少しでも浮上させるために顔を上げて目を閉じた。
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