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「あの……、伝え忘れていてごめんなさい。御婚約おめでとうございます。幸せになって下さい。」 蓮、ごめんなさい。 婚約者の女性と並んで挨拶する姿を見たくないから、祝福の言葉だけで許して欲しい。 「ふっ、祝いの言葉を伝えれば帰れると思ってるのか?美桜、何を言っても帰さない。」 「っ、ど、どうして?私が十年振りにこの地へ来たのは、蓮に聞きたい事があったからなの。」 「ああ、確かに十年振りだな。それがどうした?俺が美桜を離す訳がないだろう?」 「い、意味が分からない!!蓮、何を言ってるの?貴方は婚約するのよ?」 蓮、一体何がしたいの? 私が十年前に蓮を傷付けたから、その仕返しのつもりなの? やっぱり此処へ来るべきじゃなかった。 結衣に連絡する前に警察へ相談すれば良かった。 「おい、蓮。みいを離さないってどういう事なのか説明してくれないか?」 「そうよ!!美桜を此処へ連れて来た私達に説明しないなんて許さないわよ!!」 私を庇うように一歩前に出たせいちゃんと結衣は、蓮を睨みつけている。 どうしよう。 このまま会話を進めたら喧嘩になってしまう。
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